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みよた町民による、"本気のまちあそび"プロジェクト、はじまる。「みよたの町民noteキックオフミーティング」

この記事は、みよた町民が実際にまちを楽しみながら、まちの魅力について考える新プロジェクト「みよたの町民note」の一環です。

2021年9月某日、御代田町役場の小会議室。

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ここで「まちの魅力を伝えること」を目的とした、新プロジェクトの計画が話し合われていた。

出席者は4名。


「そもそも"みよた"って読んでもらえないんです。」

狩野さん:
「"おしろだ"?」とか「"およた"?」とか。惜しいんですが。。。

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企画係の狩野さん。実はカーリング全国2位

そう嘆くのは、御代田町を盛り上げるキーパーソンのひとり、企画係長の狩野さん。主に、ふるさと納税や各課の調整などを担当している。

もうひとりのキーパーソンで、同じく企画係の萩原さんも言う。

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企画係の萩原さん。実はソフトテニス全国1位

萩原さん:
隣接する軽井沢町などと比べて、御代田町には全国的に有名な観光資源はありません。

一方、町内に3つの大きな公園があって子育て世代にも暮らしやすい環境だったり、旧中山道や龍神祭り、冬に賑わうカーリング場など誇れる文化はたくさんあります。そんな御代田の暮らしの魅力を、いろんな人に知っていただきたくて。

狩野さん:
私たちの仕事のゴールは、今後人口が減っていったとしても、面白いことってまだまだたくさんあるだな、というふうに、御代田町に住んでいる人たちや関わる人たちが上を向いたり、希望を感じてもらえるようにすること

それを、外の人にお願いするのではなく、せっかくであれば御代田に住むみなさんと一緒に実現していきたいと思い、今回、声をかけさせていただきました。

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御代田に惹き寄せられたプロデューサーたち

そんな思いから招集されたのが、御代田を拠点に活動する2人のプロデューサー、イセオサムさん大月均さん

イセさんは、TV局出身で、600万DLを誇るお笑いアプリ「写真で一言ボケて(bokete)」の仕掛け人。現在は、スタートアップのアドバイザーとして活動しています。

大月さんは、広告やマーケティングの専門家で、企業・ブランドのデジタルやSNSの戦略策定と実行を数多く手掛けています。2021年からは国立信州大学の特任講師も。

おふたりとも2年ほど前に、御代田に引っ越してきたばかり。そもそも、どんなところに惹かれて移住を決めたのでしょうか?


イセさん:
パーっと開けた土地に広がる浅間山の壮大な景色です。釣りが好きなので、渓流にすぐアクセスできるところも気に入っています。

イセオサムさん

イセオサム(いせ・おさむ)
 2020年4月に御代田町に移住。1983年生まれ。東京都出身。家族は妻と娘(8歳)、息子(3歳)、ネコ2匹(10歳)。慶應義塾大学経済学部卒業。日本テレビ放送網、オプトを経て、2008年に株式会社ハロを共同創業。取締役COOとして写真で一言ボケて(bokete)などのアプリをプロデュースし累計 1,000万DLを突破。文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門受賞。現在はプレイ株式会社代表取締役、株式会社NAVICUS社外取締役ほか。事業の立ち上げとアドバイス、釣りが好き。


大月さん:
僕も浅間山が大好きで、もはや原風景になっています。御代田は浅間山の山頂から麓までゆるやかに広がっている町なので、ハイキングやバードウォッチングなども身近で、山森と日常的に触れ合う機会に恵まれています。

大月均さん

大月均(おおつき・ひとし)
コミュニケーションディレクター/プロデューサー。1982年生まれ。東京都出身。青山学院大学経営学部、桑沢デザイン研究所STRAMD(戦略経営デザイン専攻)卒業。マーケティングファームを経て、2014年より株式会社スパイスボックス。大企業やスタートアップ、メディア企業など幅広いクライアントの広告やマーケティング業務に携わりながら、講演や執筆、R&Dも担当。ソーシャルリスニング、SNS、インフルエンサー、動画など、デジタルを用いた統合マーケティングコミュニケーションの戦略立案、企画、実行を得意とする。宣伝会議講師、信州大学社会基盤研究所特任講師。


「住んでいる場所に関わっていくのは自然なこと」

そんな御代田の環境が大好きなお二人が、こうして地元に関わっていくことは、「とても自然なこと」と口を揃えます。

イセさん:
引っ越してきたところが、いい町であってほしい。
シンプルに言えば、それだけなんです。

今日もそうですけど、自治体と住民の距離感が近いのも御代田の魅力だと思います。完成形のサービスを受け身で待つよりも、一緒に町がよくなっていくプロセスを楽しめたらいいなあと。

大月さん:
御代田に来る前は長いこと渋谷に住んでいて、区長の長谷部さんとも学生時代からご縁があったりもしたのですが、それでも渋谷という街に住民として”関わっている”という感覚はほとんど持てなかったんです。大きすぎて。

その点、御代田のような規模の自治体だと人も予算も限られているので、住民同士や役場と住民との間でも様々な協力や連携が不可欠です。そういった前提がむしろ「自分たち一人ひとりの存在が町をつくっている」という実感に繋がっていきやすいのだと感じています。  

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「遊べる余白があるから、当事者になっていく」

すでにやる気がみなぎるプロデューサーたちですが、そうした「自分たちのまちを自分たちでつくってきた"DIY精神"も御代田の誇りなんです」と狩野さんは言います。

狩野さん:
予算が潤沢ではないのでやむをえない側面もあるのですが、住民の方々にお願いを重ねながら、まちが発展してきたという歴史があります。

先ほどご紹介したカーリング場も、26年前に「カーリングをやりたい」と思っていた人たちが、工場の跡地を自分たちで測量して、氷を張るのも内装も自分たちでやって、完成させたものなんですよね。

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カーリングホールみよた
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カーリングホールみよたの屋内

大月さん:
そうだったんですね! そのお話はぜひ今度詳しくお聞きしたいです。

というのも、僕は普賢山落(※作曲家の武満徹さんやデザイナーの柳宗理さんがアトリエを持っていたことで有名なエリア)から浅間サンラインを挟んですぐの舟ヶ沢山落に住んでいるのですが、そこは僕の父を含む20世帯ほどの家族が集まって、何もないところに道路をつくったり水道を引いたりしながら自分たちで拓いていった場所なんです。

これまで30〜40年以上に渡って地主さん達のお力添えもいただきながら自治されてきたのですが、コミュニティの高齢化が進行しているので、次世代メンバーとしてどのように受け継いでいけるのか、試行錯誤を始めたところです。

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舟ヶ沢山落の雰囲気

イセさん:
多少は手間がかかるかもしれないけれど、自分たちでつくっていける余地がある方が当事者性は上がっていきますよね。

例えば、御代田町ではゴミの分別が細かくて、井戸沢処分場では、約10種類に分けてゴミを捨てていくのですが、こうやって資源は循環していくのか、という発見が多くて。住民にしてみたら日常の風景も、ユニークな社会科見学ツアーに仕立ててみたら需要があるかもしれません。

大月さん:
この町の価値をどう捉えるか。色々なピースが”不足している”と考えるのか、それとも”余白がある”と受け止めるのか。

自分自身がこれまで都市生活をたっぷりと享受してきたからこそ感じることですが、「サービスを受ける=消費する」といった視点から「自分たちの暮らしを自分たち自身でつくっていく」という視点へと置き換えてみると、御代田は可能性やワクワクがとてつもなく溢れていると感じます。

イセさん:
まわりに軽井沢や佐久、小諸などがあるなかで、"あえて"御代田を選ぶ人というのは、この場所、この土地の深い魅力に気づいている人たちなのかもしれません。

そういう、ユニークな視点を持っている人たちが伝え手になって、まずはみんなでまじめに、本気で遊んで、そのプロセスそのものをnoteを通じて発信することで、まちの魅力が伝わっていくといいなあと思いました。


「今から、仲間を探してきてくれませんか?」

まちの魅力を伝えるヒントは、まちを舞台に本気で遊ぶことにあり。ということで、プロジェクトの全体像が固まってきたようです。

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萩原さん:
ここまで御代田を愛してくれているのが本当にうれしいですね。。。

イセさん&大月さん:
いえいえ、同じような思いの人は、まだまだたくさんいると思いますよ。

狩野さん:
そうなんですね。毎日役場にいるとなかなか出会いがなくて。じゃあ・・・今から、探してきてもらえませんか?

イセさん&大月さん:
どの辺りにいるか、だいたいの目星はついているので、早速捕まえてきます!


今回ターゲットとなった御代田住民3名。


①本間 美和さん(編集者・ライター)

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本間美和さん@エコール御代田

本間美和(ほんま・みわ)
元リクルート『ゼクシィ』、講談社『FRaU』の雑誌編集者。2009年〜2011年、夫と共にインド、アフリカ、南米を中心に2年間旅をする。旅ブログ「ひげとボイン」がきっかけで旅行記『ソーシャルトラベル』を出版。帰国後は震災後の東北に通い、復興の好事例を紹介する『東北復興新聞』を発行。2児の出産を経て現在はフリーの編集者・ライター。全国各地でママ向けライティング講座の講師も。大人志向の母向けメディア『hahaha!』の編集長。御代田町小田井地区在住、京都にも拠点を持つ。

大月さん:
1人目は、2021年に家族で御代田に移住してきた本間美和さん。フリーの編集者・ライターとしての活動に加え、メディアの編集長やライティング講座など、多方面で精力的に活躍されています。

出会いのきっかけは、この春に美和さんやいくつかの家族が「民宿を改装して住居兼コミュニティスペースをつくろう」と動いていたこと。気づけば我が家もその流れにご一緒させてもらっていますが、美和さんやその周囲には常に笑いが絶えず、面白いことが次々と立ち上がっていく軽やかさを感じます(ちなみにその計画はより大きな輪となって「御代田の根」という活動に繋がっています)。

そんな美和さんなら、新たな住民が続々と増え、様々な活動が生まれている御代田町のワクワク感を余すことなく届けられるのでは…と期待しています。


②兼松 真紀さん(コンテンツクリエイター、ワークショップデザイナー)

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兼松真紀さん@浅間縄文ミュージアム

兼松真紀(かねまつ・まき)
(株)ソニー・コンピューターエンタテインメントでゲームデザイナー・シナリオライターを務めたのち、2010年から、遊びゴコロのあるサプライズプレゼントを仕掛けて幸せの循環をおこす活動「サンタのよめ」を始める。その後、結婚・出産を経て、ギフト・自然・遊びに関する講演や執筆をおこなったり、「子どもサンタ学校」や「Cosmic living cafe」といった、大人も子どもも遊びながら世界の不思議に触れたり、人がすでに持っているチカラを感じられるような場作り、コミュニティ醸成をしている。現在は、Slow Innovation(株)のメンバーとして、クロスセクターの協創によって地域変容を促すワークショップをしたり、地域の魅力をコンテンツにつなげる支援なども行っている。

大月さん:
2人目は兼松真紀さん。執筆やコンテンツ企画、ワークショップデザインなどを手掛けています。「鹿児島ソーシャルデザイン会議」や「長野をつなげる30人」といった地域 x コミュニティに関するプロジェクトへの関わりも多く、また自然農や薬草といった自然や暮らしにまつわるテーマにも高いアンテナをお持ちです。

自然豊かな場所での暮らしは、隣近所や友人との助け合いも欠かせませんが、それは人と人、人と自然との繋がりが感じられる生活とも言えます。真紀さんにはそんな御代田での日常やその魅力について発信してもらえると思います。

ちなみに、信州にはいくつもの縄文文化があることで知られており、御代田にも「浅間縄文ミュージアム」があります。真紀さんの関心領域の一つには「縄文」もあるので、今回のプロジェクトを通じて、御代田 x 縄文 というテーマで学びを深めたり、実際に縄文文化を体験してみる機会までつくれたらいいなと思っています。


③兼松 佳宏/YOSHさん(「グリーンズの学校」編集長)

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兼松佳宏さん@龍神の杜公園

兼松佳宏(かねまつ・よしひろ)
1979年生まれ。ウェブデザイナーとしてNPO支援に関わりながら、「デザインは世界を変えられる?」 をテーマに世界中のデザイナーへのインタビューを連載。 その後、ソーシャルデザインのためのヒントを発信するウェブマガジン「greenz.jp」の立ち上げに関わり、10年から15年まで編集長。16年より京都精華大学特任教員として、ソーシャルデザイン教育のためのプログラム開発を手がけた後、再びNPO法人グリーンズに「グリーンズの学校」編集長として復帰。著書に『beの肩書き』『ソーシャルデザイン』、連載に「空海とソーシャルデザイン」など。秋田県にかほ市出身、長野県北佐久郡在住。

大月さん:
3人目は、同じく今春、御代田にやってきた兼松佳宏(YOSH)さん。greenz.jpの元編集長としてソーシャルデザインや環境系の領域で広く知られている方です。僕自身、十数年前に稲作や勉強会を通じてご縁がありましたが、その後長らくニアミスが続いていたので、今年御代田に引っ越してくるとお聞きして、ぜひご一緒したいなと。

また、勉強家という肩書でも活動されている点もポイントです。というのも、この地を選んで移り住んでくる方や、何かを始めようとしている方は、みなさん共通してクリエイティビティやコミュニティを大切にしていると感じます。

また、子育て世代が特に元気な印象ですが、子ども達だけでなく親同士も活発に繋がり合いながら、自然の中での暮らしやこれからのライフスタイルの在り方について、日常的に学びを深めている姿があります。そういった御代田の今の雰囲気をお伝えするのにうってつけの存在だと思います。

ということで今回は、新プロジェクトのキックオフの様子をお届けしました。

次回、イセオサムさん×大月均さん×本間美和さん×兼松真紀さん×兼松佳宏さんの5名による座談会の様子をお届けします。

お楽しみに!

[編集・文] みよたの町民note編集部